【シモダのつぶやきVol8】

「原則、付き添い不要」のはずなのに―子どもの「付き添い入院」で親が背負う負担とは

■「付き添いたい」と「付き添わなければならない」は違う

子どもが入院したとき、そばにいてあげたいと思うのは親として自然な気持ちです。

しかし今、その思いとは別に、親が病室に寝泊まりして身の回りの世話を担う 「付き添い入院」の負担が社会問題になっています。

制度上、入院中の看護は医療機関が担うことが原則です。 しかし、こども家庭庁の調査では、病状などを勘案した上で 「基本的に付き添いをお願いしている」と回答した医療機関が4割を超えました。

さらに認定NPO法人キープ・スマイリングの「付き添い白書2025」では、 付き添い経験者の58.9%が体調を崩し、80.0%が熟睡感を得られず、 78.1%が経済的不安を感じています。

■ 練馬区議会で問うた「制度と現場の乖離」

私は9月の練馬区議会一般質問で、この問題を取り上げました。 実際に付き添いを経験した方から、

「付き添いは選択と言われたが、付き添わなかった場合に どのようなケアになるのか十分な説明がなかった」

「食事、排泄、口腔ケア、尿量の記録まで家族が行った」

という話を伺ったからです。

これに対して練馬区は、区内医療機関の小児病棟では原則として 付き添い入院は不要で、患者や家族から要望があった場合に 認めることがあると答弁しました。

また、付き添いによって他のきょうだいの養育が困難になる家庭には、 子どもショートステイやベビーシッターなどのサービスを病院で 紹介しているとしています。

■「制度がある」だけでは支援にならない

しかし、私が問いたかったのは「制度上どうなっているか」だけではありません。

原則付き添い不要でも、親が安心して「付き添わない」と選択できているのか。 家族が看護やケアの一部を事実上担っていないか。 紹介された支援制度を必要な家庭が実際に利用できたのか。

そこまで把握しなければ、制度と現場の乖離は見えてきません。

行政施策で大切なのは、制度をつくったことやサービスを 紹介したことをゴールにしないことです。

「制度があるか」ではなく「実際に使えているか」。 「支援を実施したか」ではなく「家族の生活がどう改善したか」。

国も診療報酬の見直しや付き添い環境改善への支援を始めています。 だからこそ自治体にも、医療機関任せにせず、当事者の声を聞き、 制度が実際に機能しているのかを確認する役割があります。

付き添いたい親が安心して付き添える。 そして、付き添えない親も安心して子どもを預けられる。 子どもの入院を支えるために、親の健康や生活を犠牲にすることを前提としない仕組みへ。

制度の「有無」ではなく、その先にある家族の生活の変化まで見ていくことが、 これからの福祉政策に必要だと考えています。

さいごに

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